それから、絵も。 君が見たいって言っていた色彩画を描いていくね。 今なら、それができるから。 まあ、その前に、天国まで名前が届くくらい、有名な画家になってみせるから。 沢山の絵を持って行くから。 だから……先にそっちで待っててね、逢坂くん。 ―――ザザーン また、波が押し寄せてきた。 ああ、今なら言える気がする。 君の名前を、呼べる気がする。 青い青い海に向かって、私は口を開いた。