主人公は水泳部に所属している、泳ぐことが好きな女の子。同じく水泳部所属の幼馴染みの男の子に好意を寄せている。
でも彼とは水泳のライバルでもあり、競い合うあまり意地になって張り合うことも多く、なかなか素直に接することが出来ずにいる。
大会を控えた夏、幼馴染みはどんどんタイムを伸ばしてより水泳の腕が磨かれていく。
その一方、なかなかタイムが伸びずに悩む主人公。幼馴染みとの差を感じて焦るあまりスランプに陥ってしまう。
ずっと好きで頑張ってきた水泳に自信をなくしてしまった主人公に、見兼ねた幼馴染みが特別レッスンをしようと持ちかける。今までならタイムが落ちると馬鹿にしたりからかってきていた幼馴染みからの意外な提案に、戸惑いながらも主人公は頼ることにする。
厳しいが主人公のことをよく理解してアドバイスをしてくれる幼馴染み。自分のためにレッスンしてくれる優しさに喜ぶ一方で、これは下手な自分への同情なのではと疑ってしまう。
しかし水泳が好きな自分の気持ちを理解して一緒に頑張ろうと背中を押してくれる幼馴染みの本音を垣間見て、やがて主人公も意地を張るばかりではなく素直に幼馴染みと向かい合おうと決める。
自分のために、面倒を見てくれた幼馴染みへのお礼のために、主人公は懸命に練習する。
そして全力で挑んだ大会では、自己新記録を出す。
「……で、自信を身に付けた主人公は、感謝の思いと幼馴染みへの恋心を素直に幼馴染みに伝える。幼馴染みも主人公が好きだから特別レッスンをしていたという胸の内を明かす。まあ、話は一応こんな感じでハッピーエンドの予定だ。……どうだ? 長々と喋ったけど、理解出来たか?」
一気に説明した先輩は、私が理解出来たのか窺うように見遣る。
先輩と目が合わないように少し俯いて、ゆっくり頷くことで答えた。


