こうして様々な教室での仕掛けに毎度毎度驚きながら進んでいくと、ゴールの体育館の光が見えた。


「ゴールだ…!」


私は呟く。


結ちゃんと雄大くんは体育館めがけて走り出した。


葵は


「ほら、もう大丈夫。怖くなかったろ?」


また笑いかける。


ありがとう。


葵のおかげでこの肝試しは怖かったけど楽しかった。


そしてとても短い時間に感じられた。


「もう一回行きたい!」


私がふざけていうと


「うそつけ!あんなに泣いてたくせにー」


負けじと葵もからかってくる。


でもね葵。


嘘じゃないよ。


葵と一緒なら


葵が助けてくれるなら


葵が導いてくれるなら


何回だって行ける。


怖くなんかないよ。


その頼れる背中が


優しい笑顔が


大好き。