「……そんなもの、いりません」


「…でしょうね…」


私もそう思った。
真言さんのスマホのバイブが鳴る。


「玖美さんからメールです」


スマホを確認すると、


「芳子さんも来週には釈放されそうですよ。ようやく当日のアリバイが確認取れたようです」


と、着信が鳴る。


「私だって、忙しいんだからね!?高くつくわよ!?」


スマホから耳を離すと通話ボタンを押す。静かな事務所に声が響いた。わかっていたようだ。


「じゃあ、諸々、徴収しにいきますか」