「あの病院の新薬で、娘を死なせたんだ。副作用だった。病院側は認めなかったけどね」


横たわった状態のまま御山さんに話し掛けられる。
今のところ交替で見張りをしているようだ。この状況では、助けも呼べないと見越してだろう。


「だから、経営に携わる神前から信用と、傾くほどのお金をもらおうと思ってね。あとは貴女という存在」


やはり声は篭っている。


ワタシですか??と首をかしげる。そんな大切な存在とは到底思えない。


それにしても、病院まで経営してたんだ。


今の世の中、インターネットで叩けば傾く店や病院もあるだろう。


あることないこと書かれても、犯人の特定もできない。悪意があっても裁けないのが現実だ。


拡散されてしまえばそれまでだ。嘘も消せない。
もがいて出した事実も言い訳も、留まることなく聞き流されて終わる。