「……駄目だ!集中っ!」

私は頬を軽く叩き、姿勢を正す。

こう言う日は失敗をしがちだ。

また入力ミスをしない様に注意しながら、平常心でいよう。

「松山さーん!昨日の書類、出来てるー?」

ふぅ……と全身の力を抜いた瞬間、部長にそう声をかけられ、私は飛び上がった。

「はい!出来てます!」

あわあわと書類を持って、ダッシュで部長の元へ向かい、差し出す。

なんかドキドキするな……。

「……うん。オッケー。ご苦労様」

書類に目を通し終わった部長が、優しく微笑む。

(良かった……)