実際、近藤 和架子はあれから私達の前に姿を現さなくなった。

後から天野さんに聞いたんだけど、私が居酒屋から居なくなった後、丁重に佑くんがフッたみたい。

そしたら近藤 和架子は怒って帰ったって話。

……天野さんが笑いながら「いい気味」って笑ってた。


「そう。なら良いわ。アタシ、あのコ嫌いなのよ」

ブスッとした顔で、ハナちゃんさんが頬杖をつく。

「……どうしてですか?」

理由はなんとなく分かるけど、なんか聞いてみたい。


「簡単よ。アタシ、ブリッ子嫌いなの」


うん。

単純明快。

聞いて清々しい理由だった。


「そうですか」

フフっと笑う。

佑くんと声が被り、顔を見合わせてまた笑った。



「……幸せそうで良かった」


それを見ていたハナちゃんさんが、ボソッと呟く。

「……お陰さまで」

私達は苦笑いを浮かべる。