「……会社、行きたくないなぁ……」

ヒザを抱え、もう一度大きな溜め息を吐く。

会社に行けば、否が応でも顔を合わせる。

「どんな顔すれば良いのか、分からないよ……」

しかし、時間は待ってはくれない。

そろそろ用意をし始めないと、本格的に遅刻してしまう。

「……用意するか」

立ち上がり、両手を上げて伸びをする。

ヒジに付いた絆創膏を見て、いつもは色の付いていないストッキングを履くんだけど、それだとヒザの絆創膏が目立つから、今日は黒のタイツを履いて行こうと思った。