空から雨が降る日。【完】




『―雫!』
『ゲームしようぜ』
『お前、また泣いてんのかよ』
『おばさんと喧嘩したの?』

いつだって、いつだって私の隣には空雨がいたのに。

苦しいときも嬉しいときも、あの窓から“雫”そう呼んで入ってきてくれていたのに。


「…会いたいよ…、」

開かない窓を見ると、あぁもう空雨はいないんだって実感する。

苦しい。
空雨が死んだあの日から、ずっと。

空雨のことを思い出すと、苦しくて涙が出そうになる。

…あの日のことを思い出す。

目にうっすら涙が浮かぶ。
瞬きをしたら流れてしまいそうだ。


そう考えていたとき、ベッドに置いてあった携帯が、鳴った。