空から雨が降る日。【完】




「あのあと、結局化粧落として学校行ったんだっけな…」

懐かしい、思い出。
あの頃全てが空雨で回ってた。

空雨の言葉ひとつ、ひとつが嬉しくてドキドキして。

私を分かっているのも、
空雨のことをわかっているのも、

お互いさま、だった。

「…空雨」

部屋でひとり、ボソッと呟く。

ベランダの方を見ても、もうあの窓から空雨が入ってくることはない。

いつから、だろう。
あの窓が開かなくなったのは。