空から雨が降る日。【完】




「早起きしすぎた」

時間を見ると会社に行くまでまだ2時間はある。
ご飯でも作ろうか、そう思った時ふと、頭にあの頃の思い出が浮かんだ。



――…



―…


『空雨―』

その日も私は早起きをしてしまい、暇を持て余していた。

学校にもまだ行けず、親も起きていない。その時にいつも行っていた場所は、空雨の部屋だった。


私と空雨の部屋はベランダで繋がっていて、夜中でもいつでも出歩き可能。しかもお互いに窓の鍵を閉めていない。
来るのは空雨だけだし、あまり気にしてなかったしね。


『ねえ、寝てんの?』

名前を呼び部屋に入っても応答がない。