「雫―今日どっか寄って帰る?」 鞄を持った優子はカーディガンを着て私に声をかけてくれる。 「あー…ごめん。今日はちょっと先約あるんだ」 「わかったー!じゃあまた明日」 「うん、明日ね。おつかれさま」 そう言って事務所を出ていく優子を見守る。 …本当は優子とどっか行きたかった。 だけど今日はあいつが、待ってるって言っていたから。 流石に取引先で担当になってしまったから逃げれない。 私は覚悟を決めて、昨日のお店へ向かった。