「そういうこともできちゃうの、ね…」 ボソッと、呟いた。 「雫―!」 事務所に戻ると、もうお昼で。 優子はお弁当を持って私に駆け寄ってきた。 「優子」 「どうだった?初の担当になって」 「…あはは」 確かにこんな大きな仕事に関われて、担当なんて初めてだし緊張するけど。 「あの人じゃ、なかったらね…」 吾彦晴太、さえいなければよかった。