空から雨が降る日。【完】




空雨が死んで、謝れる明日が、想いを言える明日が欲しくて。
苦しくて、苦しくて。

それが、その明日が今。

「あめ…っごめっ…っ」

ごめん。
そう言おうとした瞬間、晴太の手によって口を塞がれていて。

「“明日”で空雨が望んでいたのは、その言葉じゃない」

手紙にも書いてあった。


空雨は待っている言葉が、謝罪ではない。

私はうん、と頷きその言葉を引っ込める。


「ん、」

差し出された手に、はてなまーくを浮かべる。

だけど、晴太は無理矢理私を立たせて。


「ほら、見ろよ」

まだ、泣いている私を無理矢理連れてきたのは玄関の外で。


そこは、土砂降りの大雨だった。