空から雨が降る日。【完】




『あ、…』

おばさんが立ち上がって先生の方を見る。

私は座ったまま顔をあげた。


『いつもの発作ですね。今は落ち着いていますよ』

そう言って病室まで案内してくれた先生。


私とおばさんはありがとうございます。と頭を下げ寝ている空雨に目線を移した。


『遠足、楽しそうだったのにねぇ』

『…』

『本当…っ健康な身体にどうして産んであげれなかったんだろうねぇ…っ』

顔に手を当て涙を流すおばさん。

私は何も言うことができずただ寝ている空雨を見つめる。


『ごめんね、お手洗い行ってくるね』

『…うん』

おばさんがそう言って出ていったのを確認し私は空雨の手を握る。