空から雨が降る日。【完】




そう。この日も、…雨だった。


目の前を見ると、集中治療室の字が目に入る。

私はソファに寄りかかりふうと息を吐く。



何度目、かな。

夜中にこうやって病院に来るの。



…空雨がいなくなることを考えたことがない?

そんなの本当は、嘘だ。

ただの強がり。



本当はいつだって考えてる。

空雨が明日、いなくなるんじゃないか、と。


怖い。怖くて堪らない。

ぎゅっと目を瞑る。


ぐっと手を握ったその時、

目の前の扉が開いた。