空から雨が降る日。【完】




「…え?」

顔をあげるとそこにいたのは、知らない顔。

「あ、…」

だけどよーく見るとふと頭に浮かんでくる記憶。

「…笠原さん?」

それは、空雨がずっと入院していた時に空雨の担当看護士をやってくれていた、笠原(ササハラ)さん、だった―…。

「久しぶりねぇ、元気だった?」

私の番号を見て、まだ大丈夫だねと言って連れて来てくれたのは病院の中に入っている小さなカフェ。

「はい…なんとか」

「もう四年…だったかな。あれから」

「そうですね。もう、そのくらい経ちます」

「懐かしいなぁ…空雨くんと雫ちゃん、病院でかけっこして怒られたりして…ふふ」

「もう…忘れてください。恥ずかしい…」

「私にとっては凄くいい思い出よ?」

そう言って運ばれてきたオレンジジュースを私に渡し、カフェオレを口にする笠原さん。

そんな笠原さんをじっと見つめる。


懐かしい。

そんな想いが心の中に湧いて出た。