空から雨が降る日。【完】




「…いこ」

食べている最中でお母さんは仕事に出た。

食べ終わって薬を飲んで少しゆっくりとした後、やっと動き始める身体。
保険証と診察券とお財布…携帯と鞄に詰めて家を出る。

病院は家から20分歩いた場所にある。
そこに足を運ぶのは、もう何年ぶりだろうか。


…空雨が死んだあの日から足を運んでいない。

変わっているかな。

少し、不安を抱えながらも私は病院までの道を一歩一歩歩いて行った。


―――――…


――…


病院に着くと、平日なのにやっぱり混んでいて。
待合のソファに腰かける。

「…一時間くらいかな」

番号を見て、どのくらいに呼ばれるか考える。

本でも持って来ればよかった、と何もすることのない私はただ顔を伏せた。


だけどそれは


「あら?雫ちゃん?」

私の名前を呼ぶその声によって、塞がれた。