空から雨が降る日。【完】




「…じゃあこの件はこっちで進めておく。」

「よろしくお願いします」

大手取引先の人に今までの資料を全て渡す。

「良い案を、ありがとう」

そう言って、エレベーターに乗り、去って行く。
私はまた目に涙を浮かばせながら、深くお辞儀をし見送った。

「あ…、」

そして会議室に戻るとそこにいたのは、晴太で。

「お、お疲れさん」

外を眺めていた晴太は私に気付いて、近寄ってくる。

「お疲れ…さまです」

そ、っか。もう…最後、なんだな。
じっと、顔をあげて晴太を見つめる。

「なんだよ」

「なんでも。」

「なんだそれっ」

ははっと笑う彼。

いつも通りの会話。
……、いつも通り。

「じゃあ俺行くわ」

椅子に置いてあった鞄を持ちあげて扉の方へ晴太は向かってゆく。