今日が、最後。
それは私との仕事が最後ということ。
もう、きっと完全に会うこともなくなる。ということ。
「大丈夫か?」
「え?大丈夫ですよ~」
笑って、エレベーターを降りる。
なんでだろう。
前に言われた時もそうだった。
ホッとしている自分もいるのにその反面、寂しいと感じる自分もいて。
だけどその瞬間に出てくる。
―『雫』―
……空雨の顔が。
なんで?私なにもしていないよ。
空雨のこと考えてる。忘れてなんてないよ。
そう念じると消えてくれる頭の中の空雨。
私はきっと空雨からは逃げれないんだと本当に思った。

