空から雨が降る日。【完】



「あ…家着くのもう日にち跨いじゃうな」

時刻を見るともう11時45分を周っていて。

私は電車を降りて家路を一人、歩いた。

そして

「ただいまぁ」

家に帰ってももうお母さんは寝ている。
鞄を置いてシャワーを浴びる。

「っぃった…」

服を脱いでお風呂場へ足を踏み入れようとした途端、急に走った頭への痛み。

片方の手で抑えてしゃがみ込む。
だけどその痛みはすぐに消えて、身体が楽になる。

「…なんなんだろ」

そのままお風呂場に足を踏み入れ、シャワーを浴びる。
なにもなかったかのようにベッドに入り、目を瞑る。

そう。
この時はまだ自分の身体があの真実へ傾いているなんて気が付いていなかったんだ。

ただ普通に過ごして企画を成功させて。それが今の私のやることだったから。


だから、
その真実を知るのは、もう少しだけ先のお話―…