『本当…やだな。』
こんな自分が嫌だ。
一緒にいるのが長くてお互い何を考えているのかわかってしまう分気持ちを伝えにくくなってしまった。
恋愛感情、より私と空雨の場合、家族という感じだから。
今さら伝えても…
『雫!』
そんなことを考えて、端っこに座って周りを見ていると頬に冷たいものがあたる。
『ぅわ…!』
『うわって…なんつう色気のねえ声、出してんだよ』
振り返るとそこにいたのは、さっきまで女子に囲まれていた空雨で。
『あれ、なんで…?』
首を傾げた。
『なにがだし』
はい、と渡されたのは近くのお店に売っていたおいしそうなアイスで。

