空から雨が降る日。【完】



「え、じゃあ今日はこないってこと?」
「はーまじかよ。だから新人がいると嫌なんだよなぁ」
「もっとちゃんとした子に取らせろよな、ほんと」

ざわざわと、辺りは言いたい放題だ。

全部私のせいなのに、ダメだ。
上司まで悪い扱いにされてしまう。
どうしよう。これで信頼がなくなったら。どうしよう。

私―…どうすれば―…

「相手はいつだって、言ってたんだ?」

「え、…」

ふと、耳に届いた声。

その言葉にみんながシーンとなる。

「いつ?」

言葉を放っていた相手は、晴太で。

「あっ、…え、っと来週の水曜日…です」


さっき電話で大手会社に言われたことは、

―「こっちは来週だって聞いたけど」―

たった、それだけ。

私はなにも言い返すことができずただ謝って電話を切った。


「じゃあそれまでにここの二会社でいい企画を提案できるように話し合いましょうよ」

「えっ…」