「雫がいいなら…いいんだけどさ」
優子はそういうと飲んでいたオレンジジュースをポーンとシュートする。
「入った!」
「よかったね」
綺麗にゴミ箱に入ったのを見て、優子に呟く。
「もどろっか」
そして私たちは朝礼が始まりそうだ、といいながら事務所に戻った。
その日の私はやけにテンションが高かった。
いつも通り晴太がいる――会社との会議。
「おはようございます」
とお辞儀をして会議室に入る。
いつもなら晴太を見て目が合い、笑いあう私たちも今日はそんなことはなくて。
目が合った瞬間、私の方からお辞儀をした。
「これがいいと思うですけど―…」
今日の朝、上司とともに作った資料を晴太たちに見せる。
「おー…いいかもね」
晴太の隣にいた人はいいねぇと言ってくれる。
晴太もじゃあこれでいこうか、と乗り気になってくれる。
だけど目が合うことは一切なくて。
それでも私は気にすることもなくて。
「じゃあこれで進めていきますね」
ただただ、仕事に没頭した。

