「しず…「なんで…?」
「え?」
「なんで、あんなことしたの…?どうして…?」
気付けば顔を机に伏せたまま、言葉を発していて。
目からは、涙が溢れ出ていた。
隣にいる、晴太。
何も言わずただ黙る。
どんな顔しているんだろう。きっと困らせちゃってるね。
あれは仕方なかったことなのに。
お互いにお酒が入っててあんな場所で。男と女がいたらあぁなるよ。
好きじゃなくたって、あんな行為できちゃうよ。
頭ではしっかりと、ちゃんと最初から理解しているつもりなのに、なぜか苦しくて。
「…ごめん、お手洗い…行ってくる」
私は席を立ってお手洗いに向かった。
そして目を洗い、お手洗いから帰るともう晴太はお会計を済ましていて私の鞄を持ってくれていた。
「帰ろう。…送ってく」
ん、と差し出された鞄。
「いいよ、大丈夫」
私はありがとうと言って鞄を受け取った。

