「ただいまぁ」
優子と一緒に我が家に帰る。
玄関を見るとひとつ靴があり、お母さんが帰ってきているのがわかった。
「雫、おかえり…あら、お客さん?」
「あ、はじめまして…優子と申します!」
「同期の子で友達」
「友達…、そう。いらっしゃい優子さんどうぞあがって?」
お母さんは一瞬びっくりし、そのまま微笑み優子にどうぞと案内する。
「このくらいしかないんだけど、ごめんなさいね」
カチャカチャと音を立てながら出してきたのは紅茶で。
こんないいもの…どこに隠してたのお母さん。
私はそう突っ込みたかったけど…さすがに優子の前だったからやめておいた。
「あ、優子、今日泊まるんだけど…いい?」
「あらそうなの?じゃあ、お布団出さなきゃね」
「あ…すみませんわざわざ」
「いいのよ、気にしないで」
そう言うとお母さんはちょっとまっててと言い残しリビングを出て二階に上がる。
「ごめんね、騒がしくて」
紅茶を飲んでいる優子に手を合わせると
「全然!明るいお母さんだね」
と言って笑った。

