私は「じゃあこれ…!」と画面をタッチし、なんとか後2秒…というところで背景を決められた。
「あはは!雫焦りすぎ。背景なんててきとーだよ。てきとー」
「いや…でもさ」
「あ、撮るよ!はい雫!」
優子はそういうと私の腕に自分の腕を絡ませてきてピースをする。
え!?と戸惑っているうちにパシャッと音がして今さっき撮った写真を画面が写してくれる。
「やっば!雫驚きすぎでしょ!はは!」
私の顔をみて笑う優子。
そりゃビックリするよ!
どこを見ればいいのかわからないのに急に腕を絡ませて来たらびっくりしちゃうよ!
そう言おうとしている間にも、パシャパシャと音は進んでいって…
「はあ…疲れた…」
終わる頃にはどっと、疲れがでていた。
「もう若くないなぁ、雫は」
腕を組んでいた優子は写真が出来上がると腰をしゃがませその写真を撮る。
「はい!雫の分!」
と、右腕を伸ばして渡してくる。
わたしはありがとう…と疲れ気味で返しながら写真を受けとる。
そこには、どうしたらいいかわからない私と、それを見て大口を開けて笑っている優子の姿が、あった。

