だから今日、プリンを見た時に手が伸びたんだ。
「なになに~?また思い出してたの?」
笑っていた私を見て、ぷぷぷ~と笑う優子。
「や…っ別にそんなんじゃ…っ」
「あ、雫!あれ撮ろうよ!」
エスカレーターから下りて目の前にあった明るい雰囲気の場所を指差しながら私を連れていく。
そこは昔何度か、入ったことのある騒がしくて声が届かなくなる場所。ゲームセンターで。
「はい、入って~」
重たいカーテンみたいなのをあけられ、私はそのボックスみたいなものに入って行った。
「えーとじゃあ、これと…」
お金を入れて、優子が設定をしはじめる。
こういうの、撮ったことがないからやり方とかがわからない。
「あれ、もしかして雫プリもはじめて?」
「えっ…あ、うん。実は…」
中に入ってから落ち着かなくてソワソワしている私に気が付いたのか、背景を決めていた手を止めて声をかけてくれる。
「そっかぁ…あ、じゃあこれ!雫が選びなよ!」
「え…えぇ!?」
それはさっき途中まで優子が決めていた背景画面で。
「ほらあと二つ!」
そう言われて時間を見ると15…14…と進んで行ってしまう。

