空から雨が降る日。【完】



―――――…


――…


「あ、これ可愛い!」

「優子もこれあうね!」

それから、パンケーキを食べ終わった私たちは近くのショッピングモールに足を踏み入れた。

そこは初めて入る、大きなお店で。
中にはたくさんのお店がズラリと並んでいた。

「すごいねぇ…こんなだったんだ」

「来たことないの!?もしかして」

「うん…ない。前空雨と一緒にいったの駄菓子屋さんくらいだったし」

「駄菓子屋って…あ、でもここにも駄菓子屋さんあるよー…たしかねぇ」

といって持っていたチラシを見てくれる優子。

あ、1階だ!と言って私の腕を引っ張りエスカレーターに乗る。


「あったあった!ここ!」

「うわー…駄菓子屋だ…」

連れてこられたその駄菓子屋さんは、今風にやっぱりアレンジされていて…違うといえば全く違うのに、だけどやっぱりそういう昔ながらの雰囲気も残されていて安心する。

「あ…これ」

入ってすぐ傍にあった、ドーナツに手をやる。


それは昔、
よく空雨が食べていたもので。


「うわぁ懐かしい!それ私も好きだったよ!」

「うん、私もよく食べさせられてた」

…空雨の残りを、だけど。

思い出し笑いを浮かべた。