空から雨が降る日。【完】



『ねえ、空雨』

そしてプリンをあけた空雨を呼ぶ。

私の方をじっと見て優しく答えてくれる彼。

『ん?』

『あのさ、遠足…』

『遠足?』

さっき冊子を見ていたのなら、あ、と気づくだろう。

いや、きっと気付いてる。だけど知らないふりをしてるの、かな。


それはきっと…

『ううん、やっぱなんでもない』

聞くのが怖かった。


私は話を逸らして自分のプリンを開ける。