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それからどう帰ったのか覚えていない。

だけど目を覚ませばいつの間にかベッドの上にいて、びしょ濡れだった服も着替えていて髪もきちんと乾いていた。

きっと自力で、帰ってきたのだろう。

ん、と声を出しギシッと音を立ててベッドから立ち上がる。
下に行くとお母さんはもういなくて。


「あ、仕事か…」
今日はまだ金曜日だ。私も仕事に行かないといけない。

だけど仕事に行くとなると、晴太に嫌でも会うわけで…。


はぁ、とため息をついた瞬間ブーブーとなぜかリビングに置いてあった私の携帯が鳴り響いた。

「…もしもし?」

メールだと思って開いたらそこに映し出されていたのは、着信のマークで。通話ボタンを押す。


そして聞こえてきた大きな声に、私は携帯を耳から遠ざけた。