空から雨が降る日。【完】




ずっと、後悔していた。

あの日帰った後、空雨を傷つけてしまったことをずっと考えてた。

今も思い出す空雨の顔。…それは今まで見たことのない表情で。


明日きちんと話をしよう。
そう思って眠りについた。

だけど、

その“明日”は永遠に来ることはなかった。


『あめ…っあめぇ…っ』

朝の4時。お母さんに起こされて目が覚めた。
何も言われず、ただ車に乗せられついた先は、空雨が入院している病院。

こんなに朝早くからどうしたんだろう。

軽く思っていた私は、空雨の病室を開けた瞬間言葉を失った。

だってそこにいたのは、
顔に白い布をかけられた空雨の姿だったから。


『…空雨?』

名前を呼びながら、空雨に近づく。
歩いている最中目に入ってくるのは、おばさんたちの涙を流している顔と先生たちの俯いた顔。

どうして俯いているの?どうして泣いているの?

まだ理解ができていなかった私は空雨の名前を呼びながら、寝ている彼の身体を揺する。

ビクとも、反応がないその身体を強く、強く揺する。