“空雨” 頭に浮かぶ、空雨の顔。 外に耳を澄ますと、窓に雨が当たる音がして、まだ降り続いていた。 …空雨、が まただ。 目の前にいるのは晴太なのに、目を瞑ると出てくるのは空雨の顔。 いつも、そうだ。 誰かと付き合って、誰かを愛そうとする。 その時必ず私の頭に浮かぶのは空雨で。 空雨が言ってるんだ。 ―「お前だけ幸せになるのは許さない」― そう、私に告げるんだ。 「…やめ、て…っ」 私は涙を必死にこらえ、晴太に、告げる。