空から雨が降る日。【完】




『じゃあ、ごちそうさまでした』

そういえば、いつも奢ってもらっちゃってる。

私は『じゃあな』といって歩き出す晴太の背中に向かって、あ…と声を漏らす。

それに気が付いて振り向き、ん?と首を傾げてくれる彼。


晴太は、気付いていないだろうな。

いつも私が空雨のことを思い出そうとした時…あなたが声をかけてくれること。


私を、暗闇から連れ出してくれること。


苦しくて、苦しくてもがいても出れない世界に潜り込んだとき、あの日から、いつだって手を差し伸べて連れ出してくれるのは晴太だ。


いつも、いつもしてもらってばかりで
私はなにひとつ…返せていない。