『じゃあ、ごちそうさまでした』
そういえば、いつも奢ってもらっちゃってる。
私は『じゃあな』といって歩き出す晴太の背中に向かって、あ…と声を漏らす。
それに気が付いて振り向き、ん?と首を傾げてくれる彼。
晴太は、気付いていないだろうな。
いつも私が空雨のことを思い出そうとした時…あなたが声をかけてくれること。
私を、暗闇から連れ出してくれること。
苦しくて、苦しくてもがいても出れない世界に潜り込んだとき、あの日から、いつだって手を差し伸べて連れ出してくれるのは晴太だ。
いつも、いつもしてもらってばかりで
私はなにひとつ…返せていない。

