優也は翌日、いつもの様に起床すると朝食の準備をして茜に朝食を食べさせると学校へと送って行く。毎朝、これが優也の日課となっている。その日課を熟すことは一種の仕事だと思っていた優也はそれ程苦に感じたことはなかった。
茜を送った後に会社へと向かう。優也が在籍する商品開発課では舞阪商事株式会社で今後取り扱うメイン商品となるものの開発を行っていた。
「黒木さん、さっき、この商品の発案者が来ていたんですよ。」
「彼はもう帰ったのか?」
「はい、会長に呼ばれので。でも、今日は忙しいらしくあまり会社に滞在出来ないと話していましたから。」
「そうか。彼とは一度ゆっくり話をしたかったのだが。」
「また、折を見て来られるそうですよ。」
舞阪商事(株)は元々物流会社で良い商品を見極めそれを仕入れて販売するのが主な仕事となる。扱う商品は年々増加し、部門も新たに増設されていっては利益を上げていく。今年度の経常利益は四半期ごとに面白いほどに右肩上がりを続けている。それも昔の商売だけにとどまらず常に時代の先端を読みながら商売を続ける会長の力の賜物でもある。
そんな経営者としての会長に惚れた優也は経営理念についてを会長自ら教授して貰った過去がある。少しでも会長の観察力や洞察力を習得したいと必死で学んできた優也。会長に育てられている優也としては何としてでも会長との縁を作るのが第一だった。



