素敵な夜はあなたと・・・


 冷蔵庫の食材を物色した優也は明朝からの食事が出来るのかどうかを悩んでいた。高校生の年頃の女の子がどんな食事をしたがるのか想像がつかず携帯電話を取り出すと、インターネットで検索し調べていた。



「グラタン・・・か、パスタは茹でるだけからなぁ。カレーやシチューなら簡単だけど。俺は和食党だからな。味噌汁なんて今の子は飲まないんだろうな。それに焼き魚とか茜が食べる様には感じないし・・・・困ったぞ。」

「何が困ったの?」



 インターネットで検察をしていたらあっという間に時間が過ぎていた。茜がお風呂に入ってから30分は過ぎていた。



「いや、随分早い風呂だな。女の子って普通は1時間くらい入るんじゃないのか?」

「私はダメなの。長湯すると倒れちゃうから。それで、何が困ったの?」

「それは・・・その、食事のことで。茜は和食と洋食はどちらが好きなのかな?」



 優也が余程困った表情をしていたものだから、何か祖父から緊急で用事を押し付けられたのかと思っていた。だけど、悩みのタネが茜の食事だと分かると可笑しくなって笑ってしまった。


 茜が笑うと優也は少し剥れていた。食事は毎日3度取るもので一番大事なことだからと真剣に悩んでいたのに、それを馬鹿にされたように感じると優也の機嫌を損ねるのも仕方のない事だった。