「ねえ、どんなクリスマスが好き? 今年は優也さんの好きなクリスマスにしたいの。」


 茜はいつも優也に甘えてばかりで何の恩返しも出来ていなかった。だから、この際に優也の喜ぶことを何か一つでもいいからクリスマスプレゼント代わりにしてやりたいと思った。

 本当はプレゼントを考えたけれど、祖父のお金を使ったプレゼントでは喜んで貰えそうにない為、料理を作るなり演出をするなりして優也の好みのクリスマスの夜にしようと考えていた。


「いや、俺はいいよ。茜の好きなクリスマスにしよう。どんなクリスマスがお望みだ?さあ、俺のお姫様、言ってごらん?」


 お姫様扱いをされると嬉しくなるが、茜は何時までも子ども扱いされるとあまり喜べなかった。

 一緒に暮らし始め優也の優しさに触れていく内に、この結婚も悪いものではなかったと思い始めていた。だから、茜は二人が初めて過ごすクリスマスは思い出に残るような素敵な夜にしたかった。