支え愛



茉凛ちゃんのことや昔のことを思い出して気分が優れない。


けど、本入部の日だから体育館に向かわなきゃ。


こんな気分で望月先輩に会いたくないや。


「村上」


誰かに苗字を呼ばれる。


振り返ればそこにはクラスメイトの


「光牙」


がいた。


「お、よかった。覚えててくれたんだ」


「同じ部活なんだから当たり前でしょ。」


この結城光牙(ゆうきこうが)は、1年生の中でも一番身長が高く、これから期待されてる部員。


耕平先輩が一目置いている存在。


「これから部活行くんだろ?一緒にいこーぜ」


そう言って私の隣を歩く。


「村上ってバスケやってたの?」


「うん。小学校のミニバスから中学まで」


「へぇー。なんでマネージャーなんだよ。もうバスケはやらねえのか?」


光牙は私の中学のことを知らないから悪気なく聞いたんだろうけど、バスケなんてやりたくない。


そう思ってたくらいだよ、私。


今マネージャーをやってることの方が奇跡。


なんて口に出せるはずもなく


「ちょっと怪我しちゃって」


「ふぅん。そっか、大変だったな」


怪我したのはホント。


まあ、日常生活に支障はないんだけど。


激しい運動すると痛むんだよね。


「こんど軽くでいいから1on1しようぜ」


「わかった。手加減してよね」


「おう」


にこっと歯を出して笑う光牙はなかなかのイケメン。


普通にモテてる。


本人はそんな自覚ないみたい。


女子からの目線が痛いんですけど…。