「ままままままま、茉凛ちゃん!」
『ど、どうしたのひなたちゃんそんなに慌てて?』
夕食もお風呂も済ませてから茉凛ちゃんに電話をかけた。
「え、えっとね、あの、私の代わりにバスケ出てくれてありがとう!」
言いたいことがいっぱいありすぎてまとまらない。
『どういたしまして。怪我の方は大丈夫なの?』
「う、うん。なんとか」
『よかった』
茉凛ちゃんの優しい声を聞いていたら落ち着いてきたみたい。
「あ、あのね、茉凛ちゃん落ち着いて聞いて」
『ひなたちゃんが落ち着いて』
ごめんなさい。
「今日、ほ、保健室でキスされて、こ、告白というものをされました」
『えーーー!おめでとうひなたちゃん!』
お、おめでとう??
『望月先輩に告白されるなんて…。ひなたちゃんも頑張ったんだね』
ん?
この子なんか勘違いしてるね。
「茉凛ちゃん、望月先輩じゃなくって、その…」
『ん?あ、もしかして望月先輩じゃないなら光牙くん?』
何この子!?
エスパーですか?
『光牙くんも頑張ったんだねぇ』
「え、もしかして茉凛ちゃん知ってたの!!?」
『うん。光牙くんから相談受けてたし…。あ!でもひなたちゃんの気持ち知ってたから光牙くんのこと応援してるわけじゃなかったから!』
「知ってたなら言ってくれればよかったのに!こっちだって心の準備が…」
『さすがに光牙君に悪いし…』
そうだよね…。
『ちなみにひなたちゃんが伊月先輩を好きだってことも言ってないから安心して』
「あ、うんありがと!」
でもたしか光牙私の気持ち知ってた…。
「私さ、光牙に『伊月先輩のこと好きなのか?』って聞かれたんだけど…なんでだろ」
私が尋ねると茉凛ちゃんはふふふ、と笑って
『それはひなたちゃんがわかりやすすぎるから』
と言った。
「そうかなぁ?」
『そうだよ』
茉凛ちゃんと話してると落ち着くな…。
『ひなたちゃん。光牙くんにちゃんと返事した方がいいよ。変に期待させても悪いし…』
「そうだね。明日言う。ありがと茉凛ちゃん。話聞いてくれて」
『落ち着いたみたいでよかった』
「うん。おやすみ茉凛ちゃん」
『おやすみー』

