「んっ」
目が覚めたとき淡いオレンジ色の光が窓から差し込んでいた。
「起きたか」
私の寝ていたベットに腰掛けている光牙。
「いつからいたの?」
「試合終わってからずっと」
結構時間が経ってるだろう。
「決勝戦!どうだった?」
一番にきになるのはそこだ。
「悪ぃ。負けちまった」
私のせいだよね…。
私が突然抜けたりしたから。
「ごめん!私が怪我さえしなければ」
「謝んなよ。お前の代わりに宮田が出てくれたんだぜ」
茉凛ちゃんが!?
「『ひなたちゃんのためなら!』って言ってすんなり出てくれた。ホント仲いいよなお前ら」
後でお礼言わなきゃ。
茉凛ちゃん優しいな。
「俺ら負けは負けだけどさ、22-20で負けたんだぞ?」
「えっ!?すごい!2-2相手に2点差はすごいよ!」
「だろ?だから、冬の球技大会は俺らが優勝するぞ」
「うん」
そんなに僅差で負けたとは。
余計に悔しいんだろうな…。
冬は私も出してくれるかな?
できればもう一度望月先輩と1on1したい。
それまでにはちゃんと治るかな?
「そうだ。もう帰るだろ?送ってく。お前のカバン持ってくるな」
送ってくれるなんて悪いよ。
「ひとりで帰れるよ?」
「怪我人ほっとけるかよ」
それだけ言って保健室のドアに手をかけた。
と、思えばUターンしてきた。
そのまま私のベッドに近づいてきた。
私の顔のすぐ横に手をついて
「んっ…」
触れるだけのキス。
「光牙…?」
「もうお前に怪我させないから。俺が守るから」
頭が真っ白になる。
どういうこと…?
何で急にキスなんか…。
「カバン取ってくるな」
そう言って部屋から出ていってしまった。
「わけわかんない…」
みんな訳わかんない。
そのまましばらくその場から動くことが出来なかった。