「一応手当はしたけど、もう試合出ちゃダメよ」
保健室の先生がいう。
「でも!決勝戦ですよ!?」
出たいよ。
みんなに迷惑かけちゃう。
「村上。お前の怪我のことはよくわかんねえけど、さっきの痛がり方尋常じゃなかったから。お前がやりたいって言っても俺は許さねえ」
「でも!」
「みんなもそう思ってる。また冬もある。村上なしでどれだけやれるかわかんねえけど、とりあえずやるだけやってくる」
光牙が私にいつもの笑顔を向ける。
「だからお前はここにいろ」
そう言って保健室から出ていった。
みんな。
勝てるといいな…。
「村上さん!結城くんと付き合ってるの?!」
先生はいきなり何を言い出すんだ。
「そ、そんなわけないじゃないですか!」
「あ、動揺してる?うふふ。隠さなくったっていいのに」
先生は口に手を当てて笑ってる。
ほんとにそんなんじゃないのに。
「私には好きな人がいるんで」
「へぇー。かなうといいね」
「ありがとうございます」
保健室の先生って不思議。
何でも話せる気がする。
そう思っていたらなんだか眠たくなってきてまぶたを閉じた。
少し寝よう。
頑張ってね、みんな。