「なに!?!『可愛い』って言われて抱きしめられてキスされた!?」


「しーっ!茉凛ちゃん声大きい!」


みんなに聞こえちゃうでしょ!


「それさ、望月先輩、ひなたちゃんのこと好きなんじゃない?」


茉凛ちゃんはいう。


「そんなこと絶対ないよ!」


「どうしてそう思うの?」


「だって、年下だし。可愛くないし。」


私がそう言うと茉凛ちゃんは私の肩をがしっと掴んで


「恋に年上も年下も関係ない!それにひなたちゃんは可愛い。クラスの男子はみんな言ってるし!それに、望月先輩が言ったんでしょ?」


クラスの男子みんなとか言い過ぎだよ。


ありえないよ。


でも、恋に年上も年下も関係ない。か。


「ひなたちゃん。告白しないの?」


「へっ?」


この子は何を急に言い出すの!


「前にも言ったけど、望月先輩とどうこうなろうとか思ってないから…」


「それじゃダメなの!私みたいになる」


茉凛ちゃん…。


「私みたいになって欲しくないの!ひなたちゃんが傷つくところ、見たくないから」


これって、聞いていいのかな。


茉凛ちゃんに何があったのか。


興味本位じゃきっとダメ。


茉凛ちゃんのすべてを受け止める覚悟で聞かなきゃ。


「茉凛ちゃん」


覚悟はできたの?


できてる。


だって茉凛ちゃんは大切な友達だもん。


「何があったの?『私みたいになって欲しくない』って」


茉凛ちゃんは下をむいて黙ってしまった。


しばらくすると頷いて


「ひなたちゃんになら話せる。聞いてくれる?別にいい話でも何でもないけど」


と言ってくれた。


「聞くよ。聞かせて。茉凛ちゃん」


あの日の望月先輩のように受け止める覚悟ができたよ。