案の定彩希は困惑顔。
やっぱそうなるよな。ごめん、彩希。


「ごめん、どういうこと?」
「そのまま。俺、お前のそばに入れないの。」


自分の口で言いたくない。
死ぬって言葉にしたくない。
頼むから。彩希、察してくれ。


「好きな人できた、とか?」
「それなら別れ話だろ」
「じゃあ何?転校?」
「違うよ、この学校にいる。」


「どういうことなの?私バカだからわかんないよ??」


筋金入りのバカな彼女には無理難題すぎた。
察せってのがバカな話なんだけどさ。





「俺さ。死ぬんだって」



「は……」


直球すぎた。驚くよなそりゃな。

ごめん、彩希。

まじでごめん。

弱い彼氏で、ごめん。



「ごめん、どういうこと?」
「だから。俺、死んじゃうの。
余命5ヶ月。」
「え……」


カッコつけさせて。
俺、受け入れれてねぇの。
自分の事なのにさ。

だから、カッコつけさせてもらうよ。
平然とする。