しばらく喋っていたのだけれど、悠くんは終始笑顔で。

病気じゃないんじゃない?ってぐらい。

前の笑顔とはちょっと違うんだけどね。
今はちょっと、ひきつってる。
疲れてるのかな。
病気じゃ不安だよね。
私がいると無駄なエネルギー使わせちゃう。
そろそろ帰った方がいいかな。


帰ろ。



「悠くん、私用事思い出したから帰るね」
「ん。気をつけてな。」

いつものようにバイバイと手を振って病室を出て、ナースステーションの看護師さんに私自慢の営業スマイルでさようならと言って病院を後にした。