なくした時間にいてくれた

知奈だけではなく他の人までもが私を避けるようになっていて、話しかけても無視された。人から無視をされることも初めてだった。

その時はとてつもない試練を神から与えられたのかと神を恨みたい気分にもなった。

でも、我慢しようと思った。高校生活は楽しくないけれど、三年我慢して過ごそうと思った。

人に避けられるのなら無理に関わらないようにして、勉強だけに力を入れて、誰も進学しない大学に進学しようと考えた。

親や先生には地元の大学を希望していると話していたが、実際私の希望は違っていた。

ギリギリになって東京にある有名私立大を受験したいと話すつもりだった。

過去五年間の我が校の進路実績を確認したところ、その私立大に進学した人は五年間で一人しかいなかった。地元の大学よりもレベルが上だが、可能性ゼロではないと必死に勉強した。

模試でも一度もその私立大を志望校に書いていない。でも、次の模試では書いて、合格率を把握したい。 絶対合格に向けて、もっと対策を練らなくてはいけない。