なくした時間にいてくれた

出来ない問題に直面したときの不甲斐なさに落ち込み、どう勉強したらいいか分からないと相談した、

「いつもなら動く手が動かないのは花実ちゃんが悪いのではないと思う。解けない問題は松本さんがやっても解けないんじゃないかな」と言ってくれた。

自分でも薄々そう感じてはいたけれど、本当にそうなのかと自信が持てなかったので岡くんに言ってもらえて、心が救われた。

本当に岡くんには助けてもらうことが多く、感謝している。岡くんは私たち姉妹を支えてくれる存在。


いつものように図書室でお弁当を食べていたら、岡くんが担任の先生と青ざめた顔で入ってきた。

私を探す先生をここまで案内してくれたようだ。何事があっただろう。

二人の顔を見て、嫌な予感がした。


「松本さん、お母さんから電話が来て、すぐに妹さんのいる病院に来て欲しいって。急いで行って」

「病院? 急いでって……」


私はその後に続ける言葉が出てこなくて、口を両手で覆った。