なくした時間にいてくれた

この日の空は澄みきったきれいな青空だった。家を出てから空を見上げて大きく息を吸った。今日も目覚めたらまだお姉ちゃんだったから、お姉ちゃんとして学校に行く。

二週間後には模試があるけど、大丈夫かな。勉強に関しては困っていないけど。夏休み前にほぼ教科書の内容は終わっていて、今は受験対策の授業ばかりだった。

真面目に勉強していたお姉ちゃんのおかげでなぜか体は勝手に問題を解いていく。心と体が一致しないけど、この違和感には慣れてきた。

問題はちゃんと読めば、なぜか答えが浮かんでくる。もちろん難問で浮かんでこないものもある。それは私ではなくお姉ちゃんが解けない問題と思い込むことにした。

そうすると出来ない自分に引け目を感じることなく気持ちが楽になる。

このことは岡くんからの助言によるもの。

本来なら一年生である私が三年生の勉強をするこもを心配してくれた岡くんに、勝手に問題を解く不思議な現象を話した。