なくした時間にいてくれた

でも、その後お姉ちゃんの様子を見ていたら、クラスで浮いていることが分かり、むやみに話すのは逆によくないのかと思い、図書室で見かけた時に一度話しただけだそうだ。

せっかく話せたけど、返事が素っ気ないもので会話は弾まなかったとか。

他の人とは難なく出来ることがお姉ちゃんには出来なかったという。

「緊張しちゃったんだよね」と岡くんは苦笑する。

話し掛けることは出来なくても常にお姉ちゃんの様子を気にしていたから、事故にあったと聞いたときはお見舞いに行こうかと本気で思ったそうだ。

だけど、担任に聞いたら入院はしていないと言われて、登校してくるのを待っていたと。

それで、変わりない姿で学校に出てきたお姉ちゃんを見て、嬉しくなり思わず声を掛けてしまったらしい。

あの時、多分小池さんも見ていたよね……それと保健室に行くときも。

それを見た小池さんは多分いい思いはしていない。だから、岡くんに近付いて……と言っていた。