なくした時間にいてくれた

勉強方法は人それぞれ。どこでやったら集中できるとか、何かをしながらやった方が出来るとか人によって違う。

岡くんの心配よりも自分の心配をしなくてはいけないかも。お姉ちゃんだって、受験生なのにこんな状況で大丈夫なのかと心配になるし、私だって自分の学校に行けない間に授業は進んでいく。

二学期に入って難しくなってきていた数学なんて、授業を受けれなかったらどうなるんだろう。

自力でやるのは絶対無理だし、困ったな。


「どうした? また具合悪い? 大丈夫?」


考え込んでしまったうつむき加減で食べていた。心配そうな顔で覗きこんできた岡くんに向かって、首を横に振る。


「ううん、大丈夫だよ。変なこと聞くけど、岡くんは前から優しくしてくれていたの?」


ちょっとしたことでも気にかけてくれる岡くんは優しい。前からこんなふうにお姉ちゃんを気にかけてくれていたのかな。

もし以前からお姉ちゃんと話していてくれたのなら、友達がいなくても少しは楽しくしていたのかもしれない。