なくした時間にいてくれた

「ごめん、早く歩いてしまって。女子と歩くのに慣れていないからつい早足になっちゃった。ごめんね」

「ううん。背が高くて、足も長くていいなと思いながら、追いかけてたけど……岡くんの身長何センチくらい？

「179かな。もう少しで180なんだけど、さすがに成長が止まってしまってね。ちょっと惜しい感じなんだけどね」

「いいな。そのくらい身長があったら見える世界も違うだろうし、羨ましい」


私の身長は156センチでお姉ちゃんよりも２センチ低い。今は２センチ高くなっているけど、見える世界は変わらない。だけど、20センチも高くなったらきっと違うだろうな。


駅を通り越して進んだ先にパステルカラーのかわいい外観のお店が見えてきた。

こんなところにアイスクリームショップがあるんだ。

私が知らないのは当たり前だけど、お姉ちゃんは知っていたのかな。

前にいた人たちが買い終わり、私たちの番になった。


「何にする？」

「んー、悩む。どうしようかな……。やっぱりバニラにする」

「定番だね。じゃあ、バニラとー、俺はイチゴミルク」